Woods&Buddy

好きな映画についての情報倉庫

二見文庫『ハード・ウェイ』を読むと、モスはブリックス警部には心を開いている気がする

前の記事で、二見文庫『ハード・ウェイ』は映画と違うところがいっぱいと書きました。具体的にどう違うかについて、何記事かに分けて書いていきます。今回は、モスとブリックス警部についてです。

haten-aren.hatenablog.com

ハード・ウェイ (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション) | J.R. ロビテイル, 静子, 堀内 |本 | 通販 | Amazon

 

小説では、フロッグ・ドッグのシーンで激怒したモスの長いせりふを聞いたニックは、モスがようやく心をひらこうとしている兆しだと感じます。たとえ苛立ちや怒りでも、言葉にして表現してくれることが、モスの心の開き具合を表しているとニックは考えています。
 
だとしたら、モスはブリックス警部には心を開いているのではないでしょうか。

ニックのお守りを命じられたモスはまるで駄々っ子です。ブリックス警部のデスクの前に立ち、まごついたように警部を見つめ、「いやだ」を連発。ひと言ごとに1デシベル高くなります。もしニックの変装がばれたらパトロール警官に戻すと脅されると、モスはぶすっとして肩をすくめます。


 ブリックス警部の前だとめちゃくちゃ感情表現豊か(笑)とりわけ扱いにくい部下です。
 
この後、実弾入りの銃が欲しいというニックにまた怒りを爆発させて、ブリックス警部に独特な例えで「いやだ」を表現し続けます。モス、結構長い間しゃべります。
 
その後もモスはニックの件で何度もブリックス警部に不満を訴えに行きます。
しかし、ブリックス警部も無能でなかったからこそ今の地位までのし上がったので、モスをきびしくにらみ返したり怒鳴ったりして、抗議を退けます。ニックの大ファンというのもありますが。
 
モスがこれだけ感情を爆発させられるブリックス警部は、ただの上司ではなく、師匠的な存在なのかもしれません。