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二見文庫『ハード・ウェイ』で判明!ニックがタクシーではなく地下鉄でスーザンを送った理由

前の記事で、二見文庫『ハード・ウェイ』は映画と違うところがいっぱいと書きました。具体的にどう違うかについて、何記事かに分けて書いていきます。今回は、ニックがスーザンと地下鉄に乗るシーンについてです。

haten-aren.hatenablog.com

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小説では、スーザンとのランチの後、ニックはタクシーで送ろうとしました。しかしスーザンから、自分とレイ(ニックの警官としての偽名)のサラリーでタクシーに乗るのはおかしいわね、と言われたので、冗談だと笑ってごまかし、地下鉄に乗ることになりました。
 
映画を観た時は地下鉄に乗っていることにまったく疑問を持ってなかったのですが、言われてみれば、モスのいるバーにタクシーで来たニックが、スーザンを送るときにタクシーを使わないのは不自然です。こういう経緯があるなら納得。
 
しかし、いざ乗ろうとすると、乗り方が分かりません。地下鉄に乗ったことがなく、スーザンの後ろからまっすぐついてきただけ。トークンをもってないのかとスーザンから聞かれますが、トークンを知らず、途方に暮れます。ポケットの中を探すふりをしてごまかします。結局スーザンからもらうことに。
 
ホームで実際に電車を見たニックは感動し、スーザンの話を聞いていません。上の空でうなずき、暗いトンネルから走ってきた電車が停止するのを、夢中になって見つめます。なにせ、ニックは地下鉄を映画でしか見たことがなく、しかも、事件が起こる危険な乗り物というイメージを持っています。スーザンに、ひとりで乗ったら危険だと忠告します。
 
ちなみにトークンは日本国外の地下鉄で使われているコイン型乗車券で、ニューヨーク市地下鉄は1994年にメトロカードに変わったようです。