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二見文庫『ハード・ウェイ』でモスが「ニック」と呼んだのは1回だけ

前回の記事で、二見文庫『ハード・ウェイ』は映画と違うところがいっぱいと書きました。具体的にどう違うかについて、何記事かに分けて書いていきます。今回は、ニックとモスのお互いの呼び方についてです。

haten-aren.hatenablog.com

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映画では、ニック・ラングはジョン・モスを「モス」「あんた」と、モスはニックを「ニック」「てめぇ」と呼ぶことが多いです。しかし小説では、ニックはモスを「きみ」「モス」、モスはニックを「あんた」「ラング」と呼ぶことが多いです。なぜか「きみ」と「あんた」が逆で、映画を観た後だから違和感が。なんだかニックの方が年上みたい。訳の堀内静子はなぜこう訳したのか…

 

小説ではモスの年齢は書いていないですが、実はあまり年齢が変わらないのかもしれません。モスの同僚のケイン(映画ではベニー)いわく「めったにない優秀な警官」で、伝記や歴史の本もたくさん読んでいる勉強家。早く警部補に出世していてもおかしくありません。
 
一番驚いたのが、記事タイトルにも書いた通り、「ニック」と呼んだのが1回だけなこと。映画では、車の荷物を取られてニックがモスに取り戻してくれと頼んだ時に、ニックと呼んでいいかと了承をもらってから「ニック」と呼び始め、「ラング」と呼んだのはバーでニックがスーザンを演じているときだけ。

ただ、その1回がクライマックスの最も重要なシーンなので、めちゃくちゃ感動的なんです。呼び方の変化を効果的に使っています。