Woods&Buddy

好きな映画についての情報倉庫

二見文庫『ハード・ウェイ』ではニックがモスを殴る場面でスーザンとのランチの誤解を解けた

前の記事で、二見文庫『ハード・ウェイ』は映画と違うところがいっぱいと書きました。具体的にどう違うかについて、何記事かに分けて書いていきます。今回は、スーザンがニックをランチに誘った理由がデートではなく、モスとどうやったら上手くいくかという相談だったことを説明する機会についてです。

haten-aren.hatenablog.com

ハード・ウェイ (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション) | J.R. ロビテイル, 静子, 堀内 |本 | 通販 | Amazon

映画でも小説でも、ニックがモスに、「スーザンのことだけど…」と話し掛けますが、すぐに「聞きたくない」と遮られてしまいます。映画ではそれっきりで、結局誤解されたままでした。しかし小説では、誤解を解く機会があります。私の勝手な推測ですが、著者のロビテイルが、誤解したままでは嫌だと思って補ったのではないかと思います。

ではどこの場面かというと、ニックがモスを殴る場面です。モスがニックに、スーザンからは何を学んだのかと嫌味を言うと、ニックは唖然としてこう言います。

「彼女はきみの親友から、助言がほしかっただけだ、モス。彼女は知りたかったんだ……」ふいに声が怒りで震えた。「なんだってきみはそんなにひどいバカやろうなんだ?」

引用元:二見文庫『ハード・ウェイ』、J.R. ロビテイル著、堀内静子訳、二見書房、1991、p.290

この説明を聞いたモスはすさまじい力をこめてニックを床にたたきつけますが、一応、デートじゃなくて相談だったんだというのは分かってくれたはず。