『ハード・ウェイ』パンフレットのマイケル・J・フォックスのインタビューとプロダクション・ノートによると、『ハード・ウェイ』制作の流れはこうです。
脚本作成
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ユニヴァーサルが脚本を、マンハッタンで別の企画に取りかかっていたジョン・バダム監督とプロデューサーのロブ・コーエンに送付
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バダムとコーエンが一緒に脚本を読んで笑い、「よし!これをやろう」と決心
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バダム「この若い俳優役を演じるのは、マイケルしかいない」
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マイケルの『愛と栄光への日々』を制作したコーエンが早速マイケルにオファー
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マイケルすぐにOK
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ジョン・モス役としてマイケルと正反対の俳優を探した
如才なく感情を表に出さないタイプではなく、非常に情熱的できびきびした激しいタイプ
引用元:『ハード・ウェイ』パンフレットのプロダクション・ノートより
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マイケルがジェームズ・ウッズに「共演したい!」と頼んだ。
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ジェームズ・ウッズは情熱的な俳優だから、周りの人たちが心配顔
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マイケルが次のように言ってみんなを納得させた
”あのさー僕はあのショーン・ペンとも仕事したんだぜ。彼がどれほど情熱的だったと思う”
引用元:『ハード・ウェイ』パンフレットのマイケル・J・フォックスインタビュー
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ジェームズ・ウッズに決定
(株)キネマ旬報社「キネマ旬報」1991年5月下旬号にはパンフレットのマイケルのインタビューの完全版とジェームズ・ウッズのインタビューが載っていて、マイケルがウッズに「共演したい!」と頼んだのは元々ウッズがマイケルのファンで『ファミリー・タイズ』にゲスト出演したいと頼んだことがきっかけだったことが分かります。
プロダクションノートではバダム監督が「この若い俳優役を演じるのは、マイケルしかいない」とすぐに頭に浮かんだと言っていますが、(株)キネマ旬報社「キネマ旬報」1991年5月下旬号の新村千穂さんによるバダム監督のインタビューにはその前段階のことがかいてあります。当初、ウェットなコメディーに仕上げるつもりで、主演には、とてもシリアスで自分を皮肉ることなどできそうもない40代ぐらいのある俳優を考えいて、色々あたって説得したが誰も引き受けなかった末、マイケルが快く引き受けてくれたので、主役を40代ではなく若くて子供で無知な役者にし、相棒の刑事をメチャメチャにするストーリーに変えたそうです。
インタビューでバダム監督は、説得を断った俳優の名前を出すのは失礼になるからと伏せていましたが、AFI CatalogのHistoryには名前が書いてあります。それだけではありません。なんと、当初の監督も違う人だったそうなのです。以下、AFI Catalogの情報をまとめました。
- 1988年1月29日「Daily Variety」:監督がアーサー・ヒラーで、主演がテレビスターのテッド・ダンソンと発表
- 1988年4月27日「Variety」プロダクションチャート:1988年5月にニューヨークで撮影が開始される予定
- 1988年6月9日「Daily Variety」ニュースブリーフ:ヒラー監督からバダム監督に交代し、ジョン・モス刑事役としてジャック・ニコルソンが口説かれている
- 1988年10月7日「Daily Variety」:ユニバーサルとバダム監督がマルチピクチャー契約
- 『ハード・ウェイ』には予算2,000万ドルが与えられ、バダム監督とプロデューサーのロブ・コーエンとのバダム/コーエン・グループ傘下のユニバーサルの最初の作品となり、1989年にイリノイ州シカゴで製作が開始される予定だった
- ケヴィン・クラインとジーン・ハックマンが共演する予定だったが、スケジュールの都合上、両者ともこの作品に出演することはできなかった
- 1988年秋、バダム監督はマイケルの関心を得たが、マイケルにはまず『バック・トゥ・ザ・フューチャー』Part2(1989)とPart3(1991)を完成させる義務があった
- 『ハード・ウェイ』が延期されたため、バダムは監督は『バード・オン・ワイヤー』(1990)でバダム/コーエン・グループを発足し、その間に脚本を手直し
- コーエンが1990年9月30日に「Los Angeles Times」に宛てた手紙:オリジナルの脚本レム・ドブスで、書き直しダニエル・パイン(別の映画に対する義務のために、最終的な推敲できず)、最後の仕上げジェフ・レノとロン・オズボーン、執筆作業監督はプロデューサーのウィリアム・サックハイム。最終的なクレジットは全米脚本家組合(WGA)が決定することを示唆
- 最終的に、ドブスとテレビ作家のマイケル・コゾールは「ストーリー」のクレジットを獲得し、画面上ではパインとドブスに与えられた「脚本」のクレジットより先に記載されていたが、レノもオズボーンも、画面上ではクレジットを受けなかった
『バード・オン・ワイヤー』はニックのライバルのメル・ギブソン主演で、『ハード・ウェイ』の中でもポスターが劇場に貼ってありますが、パンフレットの「別の企画」とはこの映画のことでしょう。『ハード・ウェイ』が延期になったから作ったとは初めて知りました。
脚本にも、色々な人が関わっていたのですね。