下の記事でも触れたのですが、改めて。
『ハード・ウェイ』パンフレットには新村千穂さんのマイケル・J・フォックスへのインタビューが掲載されていますが、それは一部が省略されたもので、完全版は(株)キネマ旬報社「キネマ旬報」1991年5月下旬号p.54~56に載っています。完全版ではマイケルは結構毒のあることも言っていたと分かります。
新村さんはジェームズ・ウッズとジョン・バダム監督にもインタビューしており、「キネマ旬報」1991年5月下旬号は『ハード・ウェイ』の裏側を知ることができる重要な雑誌です。
パンフレットにも書いてありますが、マイケルはこのインタビューの中で、ジェームズ・ウッズとの共演は自分が共演したいと頼み、情熱家なウッズとの共演を心配する周りの人をショーン・ペンとの共演経験を例に説得したことを話しています。私はてっきり、マイケルがウッズのファンだと思っていました。しかし、「キネマ旬報」p.56のジェームズ・ウッズのインタビューから逆だったことが分かりました。
以下のような旨のことが語られています。
- 実はジェームズ・ウッズは『ファミリー・タイズ』とマイケルのファンだった
- マイケルとコロンビア映画会社社長のパーティーで出会って友達になり、家族ぐるみのつきあい
- 『ファミリー・タイズ』のファンだからゲスト出演したいと頼んだらマイケルが喜んだ
- その直後、マイケルから『ハード・ウェイ』のオファーが来た
- 『ファミリー・タイズ』より色々条件も良く、面白半分でノリで引き受けた
マイケルと仲良くなったのは、家族を大事にするなどプライベートな部分が似ていたからと言っていますが、父親が軍人だったという共通点や、ウッズの弟の名前がマイケル・J・ウッズという超似た名前だったことも寄与しているのかもしれません。
『ハード・ウェイ』の出演条件についてのツイートがありました。個人のヘアメイクさんを週給3,000ドル(普通の3倍)で雇う事だったとは。
#バック・トゥ・ザ・フューチャー の豆知識は、1つしかなかったので、代わりにマイケル・J・フォックスの名作『ハード・ウェイ』の豆知識を。
— アメコミリーグ 7/18イベント開催 (@amecomileague) 2020年6月12日
ジェームズ・ウッズは出演の条件は、個人のヘアメイクさんを週給3000ドルで雇う事でした。
これは、普通の映画のヘアメイクさんをの週給の3倍でした。
それまでは世間のイメージ通りのシリアスな役を演じてきたウッズが、初のコメディー、しかもマイケルとの共演です。マイケルの『カジュアリティーズ』などのシリアス路線への挑戦の逆ですね。ウッズはそれまでの作品では自分を批判的に観ていたそうですが、『ハード・ウェイ』はそれがなく、いつもと違う自分を1人の観客として客観的に観ることができたそうです。実は自分はコメディーのほうが合ってるんじゃないかと思ったほど。『ハード・ウェイ』はウッズをワンランクアップさせた作品だったようです。殻を破ろうとしているコメディーのひな鳥かもしれないと楽しそうに語っています。p.54に書いてありますが、シリアスなイメージを変えるコメディーに初挑戦ができ、マイケルには感謝しているそうです。
また、「Den of Geek」というサイトのジェームズ・ウッズのインタビューでは、大好きなジョン・バダム監督とマイケルからコメディー俳優として気に入ってもらえた嬉しさが伝わってきます。
I loved John, and we got along great. And Michael Fox! He said ‘what do you think of Jimmy Woods?’ So I had these two guys sort of liking me as a comedy actor. We just had a ball doing it. It was so fucking much fun.
I was working with people I really liked. And Michael Fox is just the greatest guy. It’s funny.
引用元:James Woods interview: Videodrome, The Hard Way, Hercules and more | Den of Geek
(DeepL翻訳)私はジョンが大好きで、とても気が合いました。マイケル・フォックスも!彼は『ジミー・ウッズをどう思うか』と言っていた。つまり、この2人は僕をコメディー俳優として気に入ってくれていたんだ。私たちはただ楽しんで撮影に臨みました。すごく楽しかった。
本当に好きな人たちと仕事ができたんだ。マイケル・フォックスは最高の男だ。面白いですよ。
下の記事でも紹介したとおり、ウッズはTwitterでもマイケルのことを素晴らしい男だと絶賛しています。ファンだったマイケルと共演できて、自分の演技の幅も広がって、よほど嬉しかったんだと思います。
そんなマイケルがパーキンソン病で苦しんでいるのを見るのは、きっとつらかったことでしょう。プライベートで今も交流があるのかは分かりませんが、『Still』の番宣をした「サンデーモーニング」のツイートを引用ツイートしてマイケルの素晴らしさを伝えていることから、ずっと応援してきたことが推測できます。
もう一度2人で並んでいる姿を見たいものです。